まだあの日々が
私にとっての非日常だったあの日。
人生で初めてオールした日のことを思い出す。
なぜか眠れなくて、興奮してたような
いやでもよく覚えてはいない。
まだ真っ暗では怖くて眠れないから、間接照明とテレビをつけた薄暗い部屋の中ケータイを見ては置いて、考え事しては天井を眺めていた。
すごく長かったような、あっという間だったような
レースのカーテンから透ける外の景色が少しずつ明るくなった時、朝だ。と思った。
なぜか空気は澄んでいて、少し明るくなってきたのでもういいだろうと間接照明を切った。
夜みたいな朝の中、覚えている。
キリンジのプレイリストを流していた。今はあの頃よりも曲を沢山知っている。一人暮らしでずっと聴いていたから。感慨深いものだ。
眼が重たい。
外は薄く明るく初夏なのにひんやりとしていて、何より新鮮な気持ちだった。
初めて朝をそのまま迎えて、好きなアーティストの初めて聴く曲を流して、ただベッドの上にいるだけ。
美しい日々。とある日の日常。なんてない日だった。